第10章 リトルディト
そして国見ちゃんの最近の執心っぷりはもう恋はにおえどとかそんなレベルじゃない。
だだ漏れ。
何か彼女が来ると雰囲気丸変わり。
恋しちゃってる態度そのものだ。
「木原ーちゃーん」
マッキーが保健室の奥のベッドに呼びかける。
先生はご飯を食べに行っているからいない。
「ファ…??何で花巻先輩がいる…」
ベッドに起き上がり振り向いた彼女は言葉を失った。
「つむぎちゃん、貧血で倒れたってもしかして俺等のせい?」
笑いながら聞いてみると、ぼわっとつむぎちゃんは顔を赤くした。
あれ?
ち、がう?のかな?
「木原、だいじょぶ?」
国見ちゃんが駆け寄ってベッドに手をつき顔を近付ける。
うん、ほら、国見ちゃんて黙ってキリッとしてれば美少年だからすんごい画になるね。
つむぎちゃんはますます赤くなった。
ン?
てか、つむぎちゃんから何かいつもと違う匂いがする気がする…。