第34章 【その後の対外報告】
「あと、縁下君的には。」
「俺は美沙がいいならもう言う事はないです。」
「そっか。」
「後はこれからどうするかってとこで。」
「どうするもこうするもどーせ決まってんじゃーん。で、高校卒業したら早速なの、それとも。」
「あの、何のお話なんでしょう。」
「ちょっと岩ちゃん、此の期に及んでとぼけてる奴がいるんだけど。」
「ほっとけ、食ってける算段がついたとこで何とかするんだろ。」
「岩泉さんまでやめてくださいっ。」
「ふぎゃあ。」
「美沙は皿に顔を突っ込むなよ、穴があったら入りたい心境だろうけど。」
「というか美沙ちゃんてばまた結構食べてるねぇ。縁下君、食費は多めで考えといた方がいいよきっと。」
「まだ引きずりますか、そのネタ。」
「意地悪ばっかし言うて、もう新作動画出来ても教えたらんもんねっ。」
「いいよぉ、俺投稿者ブクマしてるもんね。」
「ほな矢巾さんと京谷さんと国見君に言いつけたるっ。」
「こらっ、人を増やせばいいってもんじゃありませんっ。縁下君もちゃんと躾してっ。」
わあわあ言う及川にしかし力はさらりと言った。
「適切な対応かと。」
「岩ちゃんっ。」
「俺に振るな味方する気はねえ。」
「何という四面楚歌っ。」
「大丈夫、ファンの人がいてはりますよ。」
「うん、美沙ちゃんは安定の天然だね。」
泣き笑い状態の及川、天然言うなと抗議する美沙、また始まったと呟く岩泉、困ったように笑う力、ファミレスのそのテーブルは少し面白い様相になる。
「とゆー訳でかなり早いと思うけど、」
ふと及川が落ち着いて微笑んだ。
「2人共お幸せにね。」
「これで仲違いしやがったらぶっ飛ばすからな、特にそこの兄貴。」
「肝に銘じておきます。」
「後どうせこんな事言っときながら当分クソ川はウロウロすっから何かあったら連絡しろ。おいそこの半分ボケ、お前だお前。」
「は、はひ。」
またご飯をひと匙口に運んでいた美沙は慌てて飲み下す。そして顔が似ていない兄妹はよく似た笑顔で同時に言った。
「ありがとうございます。」
次章に続く