第17章 【夜シリーズ】イロコイ【緑谷出久】
狙った女は必ずと言っていい程自身のものにする。
そして彼が狙いを定めるのは、ある特徴を持った女だった。
「俺もお前みたいなやり方したら、人気出るかなぁ~…?」
「はは、人聞きの悪いように言わないでよ。僕は女の子を癒してあげるのも仕事の一環だと思ってるだけだから。」
「またまた綺麗に聞こえるように言いやがって…。女の子の闇に入り込んで堕落させてきたくせに。」
「入り込んでるんじゃなくて、包み込んであげてるんだよ。」
そう言って店内に向けた緑谷の視線の先には、華やかな世界に来ているというのに、寂しそうに席で佇む一人の女の姿だった。
…次はあの子にしよう。
孤独を感じているのなら、僕が癒してあげる。
表面をイイ人で固めた緑谷は、今夜も新たな標的に近付いて行った―――――