第15章 迷いなく (裏
「はあ……、はぁ、疲れた…」
ドサッと音を立てて、私の横に寝そべる静雄
「ふとん……」
私は足元にくしゃくしゃに丸まっている掛け布団を引っ張り、それに包まった
「俺も入る」
「やだ」
「やだじゃねぇよ」
そう言って布団を捲ってくる
「へんたいー」
私はそう言いながらも、布団ごと静雄の体を包み込んだ
顔が近くて照れる…
「ふふ…」
「なんで笑うんだよ」
数秒間の沈黙の後、なんだか可笑しくてやっぱり笑ってしまう
そして彼もつられて笑う
それが幸せでたまらなかった
背中に回された彼の両腕が、強く私を包み込む
「お前のこと、大事にする」
「………ありがとう。」
平和島静雄の彼女になったんだと、改めて実感する
幸せだなって、思う。
でも…1人でシャワーを浴びている時、静雄が寝てしまって話し相手がいなくなった時、
どうしても脳裏にあの人が過る
臨也さん、私が突然いなくなってどう思ったかな
少しは寂しがってくれてるのかな……
静雄と付き合うことに迷いはないはずなのに、どうして臨也さんを気にかけるんだろう
臨也さんの腕の中で、静雄の事を考えた夜を思い出した
でも今は逆で。
静雄がいるのに臨也さんを想ってしまう
最低だ。
月明かりに照らされた時計の針は、午前4時を指していた
眠気はないし、バイトも休みだけど目を閉じよう
臨也さんと話をつけに行く。
私は静雄のものになったんだ、って………
ごめん…って、言わなきゃ。