第15章 迷いなく (裏
力があまりにも強くて少し苦しかったけど、抵抗はしなかった
加減も忘れてしまうくらい、私に気持ちを伝えようとする気持ちが強いんだろうなって。
静雄さんは、……否、静雄は私に覆いかぶさるのを止め、私に跨ったまま体を起こした
外される蝶ネクタイ、脱ぎ捨てられる黒いベスト
少しだけ外されたボタンからは綺麗な肌が覗く
私はそれをベッドの上で、静雄の正面に座りながらじっと眺めていた
自分の服を乱すと、無言のまま私の服に手が掛けられた
柔らかな手つきで、着ていたチュニックとジーンズが脱がされていく
下着だけになった私に抱きつくようにしてネックレスが外される
「これ、男から貰ったもんじゃないよな?」
なんて心配されながら。
違うよって言ったら「よかった」なんて言って抱きしめられたりして。
乱れた服装のまま立ち上がってネックレスを近くのテーブルに置くと、部屋の照明はオレンジの豆電球に切り替えられた
静雄がベッドから離れた隙に、布団にくるまってしまった私への配慮らしい
薄暗い部屋の中でも、互いの表情と煙草の匂いだけははっきり分かる
「なんで静雄は服着てるのに、私はこんな格好なの?」
「それがたまんねぇんだよ。お前だけ脱がされて恥ずかしそうにしてんのとか。」
「……変態。」
「こんなレベルで変態とか言われたら困る。」
そう言って静雄は再び私をベッドに寝かせ、首にキスを落としながら私の胸を手で包み込んだ
それはあまりにも優しくて、優しすぎて。
嬉しいはずだけどやっぱり焦ったくて…
「直接……触って?」
首に触れる唇の感触にゾクゾクしつつ、私は精一杯の“おねだり”をする
静雄は私のそんな声を聞き取り、耳元で囁く
「いつもあどけなくて可愛いくせに、こういう時だけエロいとか…」
そこまで言って小さく笑うと、舌で耳を刺激される
同時に、下着越しの手が直に…肌に触れてきた
突然訪れた快楽に、声を抑えることができない
「んぁ…ん、はぁ…っ…」
私が声を上げるたびにますます激しくなる手つき
やがて私の胸の突起を指先で摩り、弄んだ
耳を刺激していた舌は首筋を舐め回す
「んやぁ…あ、っあ……」
「可愛い声……」
「だめ、……んっ……それ、…言わないで……」