第8章 ダメ元で告白
「っ、待ってや‼︎大倉!」
多分、今日1番の勇気を出して呼び止める。
「返事…聞かへんの?」
「大丈夫、亮ちゃんの返事は分かってるから」
「絶対分かってへんよ」
「分かってる」
これじゃあ、埒があかない。
「好き‼︎…俺も…」
半ば自棄になって叫んでみると、思っていた以上にすんなり言葉が出た。
「え?」
俺の発した言葉の意味を理解出来ず、聞き返してくる大倉。
いくらなんでも、何回も言えへんで…こんなこと。
「だから…俺も大倉が…好き」
「嘘…やん」
「嘘ちゃうで」
「だって亮ちゃん、いつも俺のこと避けてたやん」
「それは!その…大倉見てるとドキドキして…大変なんや」
「ドキドキ…?」
「お、ん」
「ホンマに?」
「おん」
最後は、大倉の目をしっかり見て確かに頷く。
「ヤバイ…むっちゃ嬉しい」
耳まで真っ赤にしてくれる大倉が愛しくて堪らない。
「俺も…嬉しい」
「恋人同士ってことでええん?俺ら」
「おん」
“ 恋人同士 ” そんな甘い響きに酔いしれる。
「よろしくな、亮ちゃん」
「おん、大倉」
「大倉ちゃう」
「へ?大倉って芸名なん?」
「そうやなくて…付き合うてるのに名字呼びなん?」
大倉の言葉の意味を理解し、訂正する。
「ただ…よし…」
「おん♪ええなぁ」
「へ、部屋戻ろ?」
「おん」