第8章 ダメ元で告白
ー錦戸sideー
もう潮時ってことやな…。
これってヤスからの遠回しの忠告なんやろ…?
アカン…こないなところで泣いたらアカンのに…。
コンコン。
「あーい」
ガチャッ。
「亮…」
「すば…く…ん…」
涙でぐしゃぐしゃな顔のまま、すばるくんを見る。
「と、とりあえず部屋入り?
今他の2人居らんけど」
「おん…」
事情も聞かずに中へ入れてくれる。
「どうしたんや?亮」
「アカン…俺もう…大倉のこと諦める」
「な!何言うてんねん」
「大倉…告白するんやって」
「告白?誰に?」
「分からへんけど…もう無理や」
「そんなこと…」
「あるって!」
「亮…」
コンコン。
室内にノック音が響く。
「あ…」
「出てもええよ…俺隠れるから」
どうせ大倉やから。
ガチャッ。
「あ、大倉…」
すばるくんがドアを開けると、そこには大倉の姿が。
「おん」
ほら、告白しに来たんや…。
ジワリ、とまた目に涙が浮かぶ。
それを零さないよう、必死に歯を食いしばる。