第1章 片想いと片想い
ー錦戸sideー
「うぅ…また喋れんかったぁ…」
はぁーっ…と盛大に息を吐き出す。
「どっくん、そない落ち込むなや」
「まぁまぁヨコちょ、落ち込んで当たり前やで?
確かに好きな人と喋れんのは辛いよなぁ?亮」
「バシッと言うたらええやん、好きやって」
「アカンて村上くん‼︎絶対…拒否られるもん」
そんなこと、分かりきったことやろ?
「じゃあ、飯とか誘うんは?亮。
デートで距離縮めるんや、あいつやったら飯好きやし話弾むんとちゃう?」
「それもアカンて、すばるくん。
緊張して何言うてええか、分からへんもん。
すばるくん相手でも緊張するのに…」
「じゃあ、他の誰かが気持ち伝えるんはどうですの?
亮ちゃん」
「それも無理や、マル。絶対フられるし…」
一体なんのこと言うてるかって?
恋の相談や。
俺、分かりやすいからすぐ皆にバレてもうて。