第5章 事故チュー
深呼吸を2、3度繰り返し気持ちを鎮めようと努める。
けど…。
「お、大倉と…キス…してもうた」
途切れ途切れの言葉になってもうた。
「「「はぁ⁉︎」」」
「ちょ、シー…」
「え、やったやん。亮ちゃん」
「でも、なんでキス出来たんか?
大倉男同士とかそういうんは苦手な筈やろ?」
「じ、事故で…」
そう、ホンマに不可抗力で…。
俺の不注意が原因やけど…。
「なるほどなー」
たったそれだけの、少ない言葉だけでも瞬時に察してくれるすばるくん。
「ある意味ラッキーなんとちゃいます?」
「な、なんで?」
マルの思考は、いっつも読めへん。