第2章 第1章 残酷な世界
綺麗な満月の夜。
ある裏路地に少女が一人立っている。
辺り一面血の海であり、
少女自身、血まみれであった。
『...全て、全てなくなればいい。』
少女は少しかすれた声で呟いた。
全てなくなれば、
きっと辛い思いをしなくてもいいはずだから。
大切ななにかをなくしても、
悲しくなんてないから。
皆わかってるの。
わかっているのに、大切ななにかをつくる。
人間はなんて哀れなのだろう。
そして、人間はなんて
『醜いものなんでしょうね。』
少女はフッと微かに微笑む。
『醜いものは全て私が消してあげる...』
この手で...
全て消し去ってやる......