第8章 持つべきものは友達
とりあえず、書類整理をすさまじい勢いで終わらせ、早めに仕事を切り上げた。
『おじゃましま~す』
インターホンを押し、がらがらっと玄関の引き戸を開けると、そこには銀時が立っていた。
銀「なんだ、瑠維か~・・・ババアかと思ったぜ」
そう言って安堵したようにため息を吐く銀時。
『入って来て早々、なんだはないでしょ』
失礼でしょ。と拗ねてみると、悪いと銀時は謝った。
銀「あがれよ、今二人ともいねーんだよ」
銀時は奥の部屋に消えていった。
中に入り、躊躇なくソファに腰掛けた。
銀「で?返事言いに来てくれたの?」
向かい側のソファに座り、うれしそうに私を見る。
『うん』
銀「付き合ってくれるか?」
『ごめんなさい』
即答すると、銀時の顔が曇った・・・・・・・というよりも、不機嫌といった方が正しいのかもしれない。
銀「なんでだ?」
『えっと・・・私、銀時の傍に居すぎて、男の人として見れないっていうか・・・恋愛感情が持てないんだよね』
銀「そんなの付き合えば変わるだろ」
銀時の声には軽くドスがきいている。怒っている証拠だ。
『それにね、私・・・トシと付き合うことになったの』
それには銀時も驚いたようで、目を見開いていた。
銀「え?いつから?」
『昨日から・・・だから私、銀時とは・・・!?』
気付いた時にはソファに組み敷かれていた。