第38章 すきやきはみんなで仲良く食べましょう
近「・・・・瑠維ちゃん、総悟」
『なんですか?』
沖「何ですかィ?」
近「いや・・・・あの・・・・近くね?」
私と総悟は二人して額がくっつくぐらいの距離で鍋を見ている。ちゃっかし箸を構えて。
『総悟、近いってよ。早く離れなよ』
沖「それはこっちのセリフでィ。早く離れなせェ」
『・・・・・・・・』
沖「・・・・・・・・・」
また無言で鍋を見る。というか、見ると言うよりも睨んでると言ったほうが正しい。
土「オイ・・・・・お前ら」
『なに?マヨラー』
沖「何ですかィ?ニコ中」
土「まだ煮えてねーぞ」
『そんなことわかってますよ』
沖「だからこーして大人しく待ってるんでしょうが。死ねよ土方」
土「なんでそこで死なないといけねェの!?」
結局、トシと近藤さんも加わり四人で鍋が煮えるのを待っている。
近「あの~ちょっといいかな?」
『なんですか?』
沖「なんですかィ?」
土「何だ?」
近「大人四人で鍋を睨みあうのはおかしくないかな?」
土「それもそうだな。一旦みんな箸を置こう」
そう言って、近藤さんとトシは箸を置く。
だが、私達は・・・・・・・
近「あの?瑠維ちゃん?総悟?トシの話聞いてた?」
『聞いてましたよ』
沖「聞いてやせんねェ。近藤さんの話なら聞いてやしたが」
近「あの・・・・・ならさ、箸を置こうか?」
『だってよ総悟。箸置きな』
沖「嫌でさァ。大体、瑠維はもう二十歳過ぎてやすよね?もう大人じゃねーんですか?」
『心は子供なのよ。汚れを知らない無垢なる少女なのよ』
沖「俺ァ十八でさァ。まだ成人してねーし、無垢なる美少年でさァ」
『成人してないのはわかるけど・・・・・無垢なる美少年はどうかな?』
無垢じゃねーだろ、真っ黒だろ!美少年は許せるけど・・・・・
仕方ない・・・・・・