第36章 アニキとしての、弟分としての・・・・
私達は今、新八君の家の道場にいる。
みんなは何か証拠を見つけようと必死になって捜しているが、私はというと・・・・・
『あ~・・・・ヒマだねぇ・・・・』
と縁側に座り、呑気に月見をしていた。
銀時が頼んだのかは謎だが、柳生家も真選組と一緒になって証拠捜しをしている。
そんなことしても何も出てこないのは分かり切っている。
まぁ・・・・・これは形式だけの茶番と言ってもいいが・・・・
私は煙草を吸っているトシに話しかける。
『なんか見つかった?』
土「少しはお前も手伝ったらどうだ?」
『嫌だよ。どうせなんにも見つからないんだし』
東「そう決めつけるのは・・・・・」
『だってそうでしょ?あの尾美一だかなんだか知らないけど・・・・・アイツは結構なやり手だったし、そんな証拠残すほどバカじゃないと思うけどな~』
私はふぁ~、とあくびをした。
神楽ちゃんが怒ってトシと東城さんに喰らいつくが、まったく歯が立たない。
そんな中、新八君が口を開いた。
新「いい加減にしてもらえませんか」
妙「新ちゃん・・・・・」
新八君は続ける。
新「皆でこぞって一体何なんですか。・・・・そんなに一兄を・・・・・消したいんですか。あの人が一体何をしたって言うんですか。本当に裁かれなきゃいけない人が・・・・他にいるんじゃないですか」
その瞳には何も映っていなかった。肝心なことも、何が正しいのかも・・・・・
新「それとも近藤さんと九兵衛さんに言われてココへ?No.2はどこもかしこも大変ですね。これで恋敵を消せる大義名分が立ったってワケだ。・・・・・・最低だよ。どいつもこいつも・・・・・最低だ」
私はその一言に立ちあがった。
『それは銀時に言ってるの?銀時があの男を殺そうとしたから?』
新八君の前まで歩いて行くと、胸倉をつかみ、引き上げた。
土「瑠維!!」
『いい加減にするのはアンタのほうよ!!自分の都合の良いようにしか物事を見ない!何も正しい事を知ろうとしない!それで何がわかるの!?あの男を救おうともしないで・・・・一体アンタに何がわかるの!?』
土「やめろ!瑠維」
私はトシに制された。私はトシを睨んだが、トシの目を見て、手を放した。
東「私達を動かしたのは、若でも、近藤殿でもありませんよ。おたくの大将です」