第32章 あれ?
『うげっ!?』
私は抱きしめられ、その力が強いせいで、蛙がひしゃげた時のような声が出てしまった。
銀「ホント・・・・・・心配しかかけさせねェよな?お前ってやつはよォ・・・・・」
『ごめんなさい・・・・』
銀「俺はお前の事、妹みたいに思ってんだ」
『うん。私も銀時のことお兄ちゃんみたいに思う時もある』
銀「時もある?」
『ごく稀に』
銀時は私を見つめると、ため息をつき、私の額にでこぴんをする。
『いてっ!!』
銀「可愛くねェな・・・・・ったくよ」
『銀時に可愛いとか思ってもらわなくて結構で~す!』
銀「憎たらしくて可愛げなくて、性格完全に男のお前でも・・・・死んだら悲しむ奴もいるんだぞ?覚えとけ」
『イエッサー!!脳内メモリーから即刻消去しました!』
銀「消去じゃなくて覚えとけって言ってんだよ!日本語わかる?」
結局元通りになってしまった。
今では抱きしめられていた手はいつの間にか木刀の方に行っている。
そしてまたいつも通りに喧嘩をする。
私は銀時に関節技をかけながら、トシの方を見た。
トシは呆れたように煙草をふかしていたが、私に気付くと微笑み、そして口パクでこう言った。
「おかえり」
私はそれに気付くと、笑い返し、呟いた。
『みんな・・・・・ただいま』