第32章 あれ?
・・・・・・・・・・・だと思ってました。
でも私の目に飛び込んできたのは、白い空間でも、天使でもなくて・・・・・見慣れた天井。
純和風の天井。
いや・・・・・・
これって・・・・・
屯所じゃね?
ん?ん?ん?ん?
私なっがい夢見てたとか?とりあえず・・・・・体を起こそう。うん、そうしよう。
『いづっ!?』
体を起こそうとした瞬間、体に激痛が走る。
着ている流しの中を覗くと、痛々しいほど包帯が体に巻いてあった。
なんとか起こし、辺りを見回すと、部屋の端っこの方で眠っている物体が眼に入った。
およそ今は朝方。微かに太陽が昇ろうとしている。
近づき、顔を覗くと・・・・
『トシ・・・・・』
気持ち良さそうに眠るトシだった。しばらく見ていたが、毛布を引っ張り、トシにかけると、私は障子をあけた。
そこはやはり屯所で・・・・・
『どういうこと?』
頭が上手く回らない。
え?私って処刑されたよね?うん、された。神威に愛してる(家族として)っていったもん。じゃあ、これ何?
混乱している頭をなんとか回転させていると、いきなり首元に腕が回された。
『!?』
土「起きたんだな、瑠維」
そのまま後ろ向きに抱きしめられる。私はその温かさに夢でも天国でもなかったことを思い知らされる。
『何が・・・・・どうなってるの?』
土「あのガキがな・・・・・地球に居れば春雨に害はないって言って、急に処刑を取り下げたんだよ」
『え?』
土「瀕死ではあったけどな・・・・アイツが付きっきりで看病してくれたおかげで・・・・助かったらしい」
『神威・・・・が?』
土「春雨は行った。アイツ・・・・お前の事諦めないらしいぜ?何言ったんだ?」
『えっと・・・・家族として愛してるって・・・・』
土「だから助かったんだろうな」