第28章 団子は地球の文化です!!
土方side
春雨の船員が極秘入国するってェ噂が流れてた。
まさかそれがこんな末恐ろしいガキ・・・・しかも万事屋のとこのチャイナ娘の兄貴なんざァ誰も思わねェだろう。
しかも・・・・・まさかアイツまで来るとは思いもしなかった。
それに今置かれている状況はなんだってんだ?
なんでアイツが・・・・瑠維がガキを止めている?
このガキは瑠維、お前の刺客なんざねェのか?
いきなり現れて、俺の心を乱しやがる。
もう忘れたつもりでいた。真選組を騙したことを怨んでいた。それなのにどうして・・・・
何故こんなにも心が動揺する?いや、動揺じゃねェ・・・・喜んでやがんだ。
コイツは敵だ。なのにどうしてこんなにも
触れたくなるんだ?
『神威・・・・・この星に来た目的は何だ?こんなことをする為か?』
瑠維の声は変わっていた。俺らと一緒に居た時よりも、ずっと冷酷で感情の籠っていない声をしている。
神威「・・・・・姉御?違うだろう。今俺を止めたのは、過去の記憶に縛られてるからだろう?」
『・・・・・・』
神威「そんなの、姉御らしくないな。もっと姉御は、何事にも動じなくて強い女でじゃなかったのか?」
『・・・・・まれ・・・・』
神威「いつからそんなに弱くなったんだい?そんな・・・・・女らしさなんて姉御には必要・・・・・」
『黙れと言っているだろう、神威!!』
瑠維は鞘から刀を抜き、ガキの喉元に当てた。
その顔は怒りに満ち、そして何も知られたくない。そう言った顔をしていた。
『過去の記憶?・・・・ハッ・・・・当り前だ。私は人間。感情だって記憶だって・・・・・護りたいものだってある!!気付かなかったのか?今まで耐えていたことに。お前等が私を連れ戻した。ならば私は、それを最大限に使いこなし、自身の地位を上げる!』
瑠維はガキに顔を近づけ、こう言った。
『それを邪魔する者がお前であろうと・・・・・私は躊躇なく斬り捨てる』
神威「それでこそ姉御だ」
ガキは満足げに笑った。瑠維は不服そうな顔をすると、俺達の方に向き直る。
被っていた笠を押し上げ、俺達に顔が見える様にすると頭を下げた。
『ウチのバカが・・・・本当に迷惑をかけた。・・・・・ケガは・・・・・神楽ちゃんだけ・・・・ね』