第27章 故郷は何か知らないけど・・・・いいもんだ
『ん~!帰ってきました我が故郷!』
私は江戸のかぶき町の道の真ん中で大きく伸びをした。
三ヶ月たっても変化はあまりない。
さすがに身元がばれない様に、笠をかぶっている。
神「にしてもここは熱いね。よく神楽はこんな所にいるな」
番傘を差し、恨めしそうに太陽を睨む神威を無視し、私は、はしゃぐ。
『か・ぶ・き・ちょ・う~!!え~どォォ!!』
神「姉御、うるさいよ。俺らが来た目的忘れないでよね」
神威はそんな私をおいて、歩いていく。私も小走りに走り、追いつく。
『まずは・・・・・というより初っ端から挨拶に行く?』
神「この国の一番偉い人に?」
『将軍様よ、徳川茂々。まぁ頑張って丸めこむとするわ』
神「俺は?」
『用心棒』
神「・・・・あっそ」
『それが終わったら甘味所にでも行こっか?』
神威にそう尋ねると、
神「当り前だろ?それ以外になにするのさ」
と返事が返ってきた。
『・・・・・アンタが一番目的忘れてんじゃん』
二人して並んで歩いていく。
江戸城に向かって。