第26章 流れに身を任せると・・・・・やばいっすよ
『戦争(ドンパチ)ってところ。どう?』
はっきりとそう言った。その言葉に神威はもう一度楽しそうに笑った。
神「いいね、それ。でもさ、俺らだけじゃさすがにきつくない?点心は辰羅や茶吉尼、夜兎の集団だって聞く」
『わかってるわよ、そんなこと。だからこそ、それに匹敵する力を持つ者を集めるのよ』
神威は不思議そうにこちらを見ていたが、すぐに私の言っている意味が解ったようで、ベットから立ち上がった。
『交渉しに行くのに一人はまずいだろ?俺もついていくからちょっと待ってて』
と奥に消えて行った。おそらく着替えでもするのだろう。
私は部屋から出ると、ずっと居た人物に話しかける。
『盗み聞きだなんて・・・・悪趣味ね、阿伏兎』
ドアの外にずっと居たのは知っていた。
阿伏兎は仏頂面でこちらを見る。
阿「しらねえっすよ俺は」
『あのねェ・・・・・私がアンタを巻き込まないと思ってるの?』
そう言って満面の笑みで返すと、阿伏兎はため息をついた。
阿「で?俺は何をすれば?」
『さっすが阿伏兎!・・・・・春雨全師団長に伝えておいてくれない?久しぶりの大暴れだって・・・・ね?』
阿「はいはい・・・・・志の高い上司がいて俺は幸せっすね」
『棒読みよ。じゃあ、頼むわ。あ、小型船の用意もねェ!』
私はそのまま自室に戻る。さすがに目立つコートは脱ぐ。そして白地に紫の朝顔の美しい刺繍の入った着物に着替える。その上から群青色の羽織を着た。
『んなもんかな?』
木刀に見立てた仕込み刀を腰に差し、笠を持った。
『三か月ぶりの・・・・帰郷かぁ・・・・』
私はそんなことを言いながら小型船に乗り込んだ。後から神威もやってくる。神威は白のチャイナ服に番傘を手にしていた。
阿伏兎に見送られ、私達は向かった。
私の故郷であり、強い力を持つ者が居る星。
侍の星、地球へ。