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苦しみの中の幸せ Part2  (銀魂 土方落ち)

第24章 将軍は案外順応だ


土「オイ!瑠維!お前どこ行くんだよ!?」

私はトシの声を無視し、上様の・・・・・現将軍、徳川茂々の居る間へと向かう。

近「そっちは上様の・・・・」
土「何する気だ!?瑠維!」

そのまま私はふすまを蹴り破った。
中にはギョッとした顔の上様が・・・・・

私は上様に近づき一つお辞儀をした。

茂「そなたは・・・・?」
『真選組一番隊隊員の藤間瑠維と申します。突然のご無礼、申し訳ありません。』

私は早口でそう捲し立てた。上様はポカンとしている。

『そして私の友が数々の無礼を働いたようで、代わりにお詫び申し上げます』
茂「そのことはもういい。して、そなたは何故ここに?」

私は一つため息をついた。

『やはりお耳には届いておりませんでしたか・・・・』
茂「?」
『これから話す恋物語はあなた様の育ての親・・・・舞蔵様が体験したお話でございます。どうかこの悲しい話を・・・・どうかお聞きください。』

そして私は話し始めた。

鈴蘭と舞蔵がどのようにして出会い、どのように思いあい、そして・・・・・どのようにして放されたのかも。
そして舞蔵の腕のこと・・・・今までの思い・・・・全てをぶちまけた。

『以上が私の知っている限りでございます』

上様は信じられないと言った顔だった。

『ここまでして誓った忠誠心・・・・・私には真似など出来ません。それだけ舞蔵様は・・・・鈴蘭のことを思ってたのです。そして鈴蘭も舞蔵様の事を思いつづけています・・・・・今も』
茂「そんな・・・・・伯父上が」
『このままでよろしいので?』

私がそう問いかけると、上様は下を向く。
私はそんな上様に苛立ち、上様の胸倉をつかんだ。

土「!?」
近「瑠維ちゃん、やめるんだ!」

二人の制止などお構いなしだ。そして私は怒鳴った。

『どんな気持ちであなた達をあの男は、育ててきたと思ってるんですか!?憎い男の肉親を育てる・・・・・その辛さが解りますか!?気付いてるなら動いてください!手遅れになってからじゃ・・・もう遅いんですよ・・・』

私は手を放し、ブランと横に下げた。

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