第17章 復習はお家でやりましょう
土方目線
瑠維が舞鬼神だと聞いた時は内心、そうではないかと思っていた自分に気が付いた。
これで、バカ強い女であることも説明がつく。
近藤さんは優しく穏やかな口調ではあったが、瑠維と話してるうちに荒々しくなっていった。
それもそうだろう。あそこまで見事に言い包められれば。しかも、手慣れている様子で。
咎めるような口調になる俺らをよそに、瑠維は至って冷静だった。
だが、瑠維は部屋を出る前に、一度だけ感情を表に出した。
声は冷静だったが、どこか人を脅かすような恐ろしい声音だった。
『命の恩人を・・・・師を・・・・・アイツらをバカにされたことが・・・・・何よりも腹立たしい。アイツには、もう二度と・・・・アイツらの・・・・私の大切な人たちのことを・・・・・語らせない』
刀を握った瑠維の手が、怒りで震えていた。
横顔は怒っているようで、泣いているようにも見えた。
それでもまっすぐに前を見据えた瑠維の顔は儚げで、あまりにも美しすぎた。
アイツら・・・・・というのが誰のことなのか問う暇も無く、瑠維は部屋から出て行った。