第15章 言い訳が上手い奴ほど、頭がいい
『ったく・・・・何でそんな事になってんのよ・・・』
ドスドスと足音を踏み鳴らしながら自室に戻っていく。
『なぁにが実家だ!!なぁにが男の家に転がり込むだ!!私には転がり込む男の家もなけりゃぁ・・・実家も肉親も誰一人居ねぇんだぞ!!人の傷口ほじくんなコノヤロー!!』
私は腹癒せの様に乱暴に自室のふすまを開け、側に落ちていた座布団を天に向かって投げた。
『だぁぁぁぁぁぁ!!!!!ふざけんなぁぁぁぁ!!』
横回転しながらすさまじい勢いで飛んで行った。
『・・・ラ○ュタに届いただろうか・・・』
清々しい顔で空を見上げた。
土「そんなわけねぇだろ・・・・・・」
そんな清々しい気持ちを見事再起不能なまでに打ち砕いてくれたのは、空気の読めてるようで一番読めていない、土方十四郎だった。
『人間は時にバカになることも大切なんですよ・・・・・・って事で、バカになれない頭の固い堅物さんは、このままUターンしてマヨネーズの泉に突っ込むか、トラックに轢かれてこの世から存在を抹消してください』
冷めた口調でそう告げると、トシは少しムッとした。
土「んだよ・・・・それは死ねってことか?」
『あれ?そう聞こえませんでしたか?』
土「お前・・・こっちがどれだけ心配したと・・・」
『はぁ!?心配!?心配してたわけ!?全然そんな風に見えなかったけど!?』
心配してないだろ!!普通帰ってきた女に向かってあんなこと言う!?
土「心配してたに決まってんだろ!!」
『ありえない!!なら、何であんな事言うの!?なに!?居なくなった隊士を探し出せなかったのは探さなかったからじゃないの!?私は隊士何かじゃなくて、只のイメージアップの為だったんじゃないの!?』
土「・・・・・・」
はぁ?何その沈黙・・・・本当に探してくれてなかったの?私を必要としたのは只のイメージアップの為?
私って・・・・一体何?
『・・・・もういいです。疲れました』
土「・・・オイ・・・どこに行くんだ?」
『実家にでも帰りますよ』
私はそう言って外に出た。
土「お前には実家なんてねぇだろ・・・・」
何?その言葉・・・・
私は屯所を出ると、ある場所に向かった。