第22章 ずっと… feat.赤司
12歳の春。
俺は帝光中学校に入学した。
新入生代表挨拶も難なく終えた入学式の後、俺は指定された自分の教室へ入った。
「(今日から部活見学もできたはずだ。早速この後…)」
「あら?」
席に着き、この後の予定を決めていた時。
不意に声を掛けられ、俺は顔をあげた。
「…あなた確か、代表挨拶してた人よね?」
それはたった一瞬の出来事だった。
目の前に立つ少女に俺はその一瞬で心奪われた。
「ああ、そうだが」
「へぇ。隣の席だったのね」
「そのようだね。よろしく」
「よろしく」
素っ気なく返しているようだが、隣の席に座る彼女に俺の心拍数は上がる一方。
これが、俺と彼女の出会いだった。