第17章 もうやめて
……は?
あの…えーっと、ごめんなさい。ちょっと意味わかんないわ。
言われた本人、コタちゃんはブチギレた表情。
「あはははは!いっやーマジごめん。ハッキリ言って舐めてたよ。実はヤバいね、アンタ意外にっ……おっけーいくわ、5本」
コタちゃん?!
そう思った次の瞬間には、コタちゃんは伊月さんを抜いていた。
伊月さんもバックチップでボールを弾こうとする。
速い反応に見えるそれだけど…。
「…速い?間に合わないでしょ、その程度じゃ」
あまりにも速すぎるコタちゃんの『雷轟のドリブル』。
そのままコタちゃんはシュートを決めた。
「赤司ー、ボールおくれ!ガンガン!」
「そのつもりだよ…だが、つまらないミスなどするなよ」
「もち!てーかガンとばされちゃったしね、全力でぶっ潰すしかないっしょ!」
再びコタちゃんと伊月さんの一対一。
コタちゃんはまたもや伊月さんを抜き、シュートを決めるが、先程と異なるのは伊月さんの視線。
「(今、視ていたわね。おそらく次には…)」
第三クオーター残り三分を切り、点差は20点。
「わーた、わーた。どうしても俺を止めたいみたいね。つってもまあ…残念無念。そんなことはどうあがいても無理だけどねっ」
そう言い放って抜いたコタちゃん。
だが、そこにはテツ君が待ち構えていた。