第15章 洛山のマネージャー
聞きなれた声に、私は顔をあげた。
「レオ姉…」
そこに立っていたのは、レオ姉。
レオ姉は私の姿を確認すると、こちらへ歩み寄りながらいつものように優しく微笑みかける。
「さあ、帰りましょう?きちんと謝れば、征ちゃんだって許してくれるわ」
「無理ですよ…もう私は…」
「大丈夫よ。小太郎と永吉も心配しているわ。アタシたちも付いて行くから」
イスに腰掛ける私の目の前にしゃがみ込んで、レオ姉は「ね?」と私を見つめる。
「オイ、待てよ。何でこいつが謝んねーといけねーんだよ」
私たちの会話を聞いていた火神は、レオ姉を睨みながら問いかける。
レオ姉は火神を睨み返しながら答えた。
「部外者は黙っててもらえるかしら。確かに今回、華澄ちゃんは悪くないわ。でも、あの征ちゃんを納得させるにはこうするしかないのよ」
「彼の言う通りです。…藍川さん、今日のところはひとまず帰って赤司君と話すべきです。何かあれば、いつでも相談に乗りますから」
「テツ君…」
テツ君にも言われてしまい、私は頷いた。