第13章 歯痒い…
「あー、で?藍川さんはここで何してんの?」
高尾君に言われ、私は当初の目的を思い出す。
「そうだったわ。真ちゃん、この辺で携帯を見なかった?」
「これのことか?」
私の問いかけに答える真ちゃんが差し出したのは、まぎれもなく私の携帯。
「そう、それそれ。拾ってくれてありがとう」
「でもこんな画面割れてんじゃ、使いモンになんねーよ。落としたの?」
「ええ…そんなとこよ」
真ちゃんから画面がバリバリに割れた携帯を受け取ると、高尾君が問いかける。
「…赤司と何かあったのか?」
「え?」
鈍感な真ちゃんだから、きっと何があっても気づかれないだろう、と思っていたこともあって、思いがけない問いかけに、私は真ちゃんを見上げた。