第2章 聞いてないわ
親友にすら進学先を教えることを許されなかった私は、それだけが疑問だった。
全国大会にでも行けば、すぐにバレることなのに。
「ただ連れて行くだけでは面白くない。これは僕のゲームだ。お前が僕のところにいることを知った時のあいつらの反応が楽しみだよ」
「……」
そんなこと言っても、皆大方予想くらいついてると思うけど。
なんて思ったが、そんなことは言えるはずもなく、言葉を飲み込んだ。
「明日からは本格的に部活へ参加してもらう。以前と同様、身体管理にまた情報収集・分析もやってもらう。勿論、他の雑務もやるんだ」
「わかってるわよ」
あなたの言うことに従っていればいいんでしょう?
そのために私はここへ呼ばれた。
私は目を閉じて、まだ肌寒く感じる風に髪をなびかせた。