第10章 どんな顔をするのかな
征十郎の姿を見たレオ姉たちは、何故か顔が真っ青。
「征ちゃん、違うの!これは…」
「何だ」
「違ぇって!だからその…」
「は?」
「いや、だからな…えーっと…」
「だから、一体何なんだ」
一体何のことだかわかっていない征十郎は、先程から口を濁す三人に眉を顰める。
「藍川が一昨日京都駅前で、男と抱き合ってたんだよ」
「黛さん?!あんた何で言っちゃうの!?」
いつまでも慌てふためいたままの三人を余所に、黛さんは答えた。
黛さんの何の迷いもないその行動に、三人はさらに慌てた。
「華澄、どういうことだ」
黛さんの言葉を聞いた征十郎は、目を細めて、私に言った。
「男と言っても、修ちゃんのことよ?日本に帰って来てたから会ってたの」
「へ?修ちゃん…?」
私の答えに、コタちゃんは拍子抜けしたように声を漏らした。