第13章 再会
「死んだ、の?」
健斗君が不安そうな顔で津山さんを見る。
津山さんは「さあな」と答えた。
倒れている【Failure】は微動だにしないが、生死を確認する術はない。
これに触れるのはさすがに無理だ。
「……えい」
真琴が拾った本の角で【Failure】の足をつんつんとつつく。
すると、下半身だけとなった【Failure】がびくんと痙攣した。
驚いて本を落とす真琴の腕を引いて背中に隠す。
「ま、まさかっ、生きてるの……!?」
「うわー……気持ち悪っ。なにこいつ」
青ざめる健斗君と顔をしかめる真琴。
津山さんは銃を構えシロさんは相変わらずぼーっとしている。
頭も心臓も失ってなお生き続ける【Failure】。
これはもう【Failure】不死説が確定してしまったのではないだろうか。
嫌な想像が現実になってしまうことほど怖いことはない。
倒せないのなら、私たちはどうすればいいんだ。
逃げ続けるのにも限界がある。またさっきの二の舞だ。
わずかに体が震える。【Failure】に恐怖を覚えたのは久しぶりな気がした。
「……行こう、真琴、健斗君。津山さんとシロさんも」
ここにいるのは危険な気がした。
【Failure】になるべく近づかないようにしながら部屋から出る。
全員が部屋を出たのを確認して、壊れた扉を無理矢理押し込んだ。