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希望の果てにあるものは

第2章 スタート


「じゃあな、篠塚」


ひらひらと手を振ってどこかへ行こうとする津山さん。
遠ざかる背中を見送る。
津山さんの姿が見えなくなりかけた時に、私はやっと我に返った。
慌ててだいぶ距離が空いてしまった津山さんを追う。

私の足音に気づいた津山さんは足を止めて振り向いた。


「何?」

「あの、津山さんについていっちゃダメですか!?」

「ダメだ」

「即答!? いや、そこをなんとか……!」


食い下がる私をめんどくさそうな目で見下ろす津山さん。
津山さんにとって私は足手まとい以外の何ものでもないのだろう。
だが、せっかく人に会えたのだ。それに、あんな化け物がいる場所にひとりぼっちだなんて怖すぎる、というか速攻で殺される。
せめて津山さんのように私にも武器があればいいのだが……。

津山さんは再び背を向けて歩き出した。
私は何も言わずにそれを追う。
津山さんがダメだと言うのなら勝手についていくしかない。

先を行く津山さんの歩みが少しだけ遅くなったのは、気のせいだろうか。

……気のせいなんだろうな。

 
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