第7章 離別
四人で行動しはじめて一時間ほど経っただろうか。
ポケットに押し込んだ日記はいまだに読むことができずにいる。
見たくないというのもあるが、一人になる時間が極端に少ないのだ。
別に見られて困るものでもないのに、なぜ人がいる場所で読めないんだ。
まあそれはそれとして。
津山さんはまた、調べていない部屋を見つけた。
津山さんと二人のときに一つ、健斗君と行動しはじめて一つ、シロさんがいた部屋とこの部屋を合わせると……見つけた部屋はこれで四つ目だ。
わりと探したと思うが、この建物の情報も出口も見つからない。
見つかったのは物騒な武器と変な日記のみ……。
(……大丈夫かこれ)
この調子で本当に家に帰れるのだろうか……。
今さらながら、不安になってきた。早く家に帰りたい……。
部屋は今までの部屋よりも広く、雰囲気も少し違っていた。
十台の机の上に一台ずつ置かれたパソコン。
近づいて電源ボタンを押してみるが、やはりというか、つかなかった。
コンセントは繋がっているため、壊れているのだろう。
他の九台のパソコンも念のため調べてみたが、結果は同じだった。
「全滅か……だよなぁ……生きてるわけないよなぁ……」
「そんなガラクタ放っておけ。それより、これだ」
壊れているとはいえ結構高そうなパソコンをガラクタ扱いですか。
そう言おうとして振り向き――――津山さんの手にある物を見て、目を見開く。
それは、すでに見慣れた、拳銃だった。