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希望の果てにあるものは

第4章 遭遇


意外と津山さんから離れる時期は近いのかもしれない。
飛び散った肉片を踏まないように気をつけながら、そう感じた。

化け物はいくら倒してもわらわらと群がってくる。
津山さんはそれらを次々と殺していった。
彼の背中を見るだけで、相当苛立っていることはわかる。
丸腰の私はその様子をただ後ろで見ているだけだ。
津山さんは本当に私に一切干渉しなくなった。話しかけても返事はない。
無理を言って同行させてもらっているのだ、仕方ないかもしれないが……。

これほど大量の化け物を見ると、だんだん感覚が麻痺していった。
すでに私の中に化け物への恐怖心はほとんど残っていない。
むしろ殺せるもんなら殺してみろと挑発だってできるくらいだ。
まあ、いまだに丸腰のままなので、まだ津山さんから離れるつもりはない。


「――――――っ……」

「……?」


ふいに、遠くから声が聞こえた気がした。
空耳かもしれないが、一応耳を澄まして確認してみると……。


「れか……、――――誰かぁー……」

「!! 津山さんっ! 今、向こうから人の声……が……、……あれ?」


津山さんがいない。
いや、いるにはいるのだが、不思議なことにかなり遠くにいる。
天井に設置された蛍光灯は並べられた間隔が広く、廊下は意外と薄暗い。
津山さんの背中が奥の暗闇に呑み込まれるのに大して時間はかからなかった。


「…………えええぇぇ!? 置いてかれたぁ――――!?」


私の叫び声は、廊下に虚しく響いた。

 
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