第23章 激動
2「…なぜお前たちは、そこまで必死になれる?
ボーダーと言うのは、恵土を殺そうとしていたんじゃないのか?」
迅「…それは、昔の話だ。
少なくとも、俺が入ってきた時には
そんな奴等は非常に少なくなってたよ…
自分自身を、人の為に押さえて殺して…
いくら捨てた所で足りない。
それほどの想いがあるから、今まで生きてこれた。
そんな恵土だからこそ…守りたいと思えた。
そして…
いつも、助けて欲しい時に必死になって駆けつけて
守るだけじゃなく、護ってばかりだったから
俺たちも護りたいと思わせられる。
物理的にも、心理的にも…
その両方の苦しみを、あいつは人の何倍以上も知っている…
その身をもって、人が人である苦しみも難しさも
誰よりも理解して、その上で実行している…
だからこそ俺は
全てを懸けてでも護る価値があると思っている。
それに…
あいつは、俺に掛け替えのない宝物を沢山くれた。
そして今も……
俺にとっては、あいつ自身が何よりの宝だ(微笑)
恵土を護る理由は…
それだけで十分すぎるぐらいだろ?」
2「…負けたよ、その心意気…
だが、どうやって助け出すつもりだ?」
迅「…お前も、きっと恵土に助けられたんだろ?
だったら、自主的に引き渡すはずだ」
2「はあ…
何だってそこまで見抜くんだか(溜息)
(その後、捕まった後でどうするか
肝心な所までは見抜けていないようだが」
迅「そりゃまあ…大事な奴が護った人だしな^^
ってことで、罠とか色々と解除してくれないか?
あっちもあっちで大変そうだ(微笑」
2「…解った」
その後、片手に持てるハンドルのようなものを取り出し
2(これで…
遠征艇の技術とデータの流出を食い止める)
心中の思いと共に、スイッチを押す。
すると…
遠征艇に仕掛けられた罠と
遠征艇内のトリオン兵の動きが停止し
遠征艇自体が爆発するまで、残り3分となった…