第37章 祝勝会(変わらぬ過去、変わらぬ想い)
居るわけないって、思ってた。
理解してくれる人も、寄り添ってくれる人も……
でも、恵土はいつだって拒絶もしなければ否定もしなかった。
しんどいって言ったら心配してくれて
吐きそうって言ったら優しく背を摩ってくれて
吐く!って言ったら口の前に両手を液体をすくうように差し出して…
何でもうのみにして信じて
恵土「大丈夫か?大丈夫か?大丈夫か?;」
本当に、心配そうに…
っていうか、死ぬほど心配していた。
恵土「救急車呼ぼうか?;医務室運ぼうか?;(そわそわ」
菊地原「度が過ぎて迷惑。ウザい」
恵土「ガーン!!)・・;
;;(しくしく」
悪い気はしなかった。
寧ろ、嬉しかった。
だから度が過ぎたいたずらもしたし
誕生日を迎えていない時のエイプリルフール
菊地原「盲腸かも」
恵土「嘘!!!??」
菊地原「嘘ですよバカ」
恵土「よかったあああ;
ほっ(胸をなでおろす&安堵の息」
それがたまらなく嬉しく感じていたのも事実で
気付けば、強がって気を張っていたのも無くなっていって…
全部素で、全力でぶつかることができるようになっていた。
そして周囲は、それを見て
三上「菊地原君
恵土先輩といる時、すっごく生き生きしてるね^^」
菊地原「?そんな気なかったんだけど」
その言葉に、疑問符を浮かべたけれど…
全力でぶつかれる奴なんて…
これまでの人生で一人もいなかった。
そして…その全力を全部丸ごと受け止めてくれる人も
ましてや、どんな僕でも受け入れる恵土先輩みたいな人もいなかった…
だからこそ嬉しく感じた
恵土「自信をもって、お前らしくいていいんだよ^^」
その言葉に
菊地原「じゃあ遠慮なく。塩酸どうぞ」
ばしゃああ
恵土「ぎゃあああ!!!;解けるううう!!!;」
菊地原「嘘ですよバカ(溜息&じと目」
恵土「だましたなこの野郎!(ぷんぷん&ぽかぽか」
菊地原「全然痛くなぁ~い」
本当に痛くなかった。
いつだって人のことばっかで
本当に人のために全力になれる『いい奴』だって解るのに
そう時間はかからなかった。
だから俺は…
いや、僕は…今の僕でいられたんだ。
いつだって
底抜けの、裏表のない満面の笑みを向けて…
何だって、ありのままに受け入れてくれるから……