第10章 Zへ侵略
「ずっと・・探してたんだ・・
柚香先輩も居なくなってまで居なくなった
僕が想いを寄せるとみんな居なくなってしまう・・」
『ナル・・・・』
くしゃりと前髪を握られる
「先輩だ。」
『・・ッ』
このやりとり・・よく私達が学生の頃にやっていた
ナル先輩を私が呼び捨てにするとこんな風に髪の毛を軽くつままれて"先輩"をつけろと促してくる
『懐かしい・・ナル・・』
「・・・・っ」
何も聞かずにぎゅっと抱きしめてくれる
安心する・・
『ナル・・卒業してから私は初校長の配下に居た
側であの人の回復を手伝わされててん』
「回復を・・?」
『再生のアリスで・・
私はこの4年間で初校長からの信頼を得た。
だから私が初校長の命令で初等部に来てん』
「佐倉蜜柑の監視・・だね?」
『・・うん。そういう名目。
けど、あたしは柚香先輩の娘さんだから「わかってる。守るつもりだね。初校長の手から・・」
『そう』
「・・信頼を得たって・・」
『・・まあとりあえず計画は順調なはず・・
私の正体は誰にもばれちゃいけないことになっているからよろしくな』
「・・・・もう、どこにも行かないでほしい・・」
すごく綺麗な目・・真っ直ぐにこちらを見据えてくる
何かがこみ上げてきそうな悲しい目・・
『ごめんナル・・もう少ししたらきっとみんなで幸せになれるから・・・・』
それからもぎゅっと私のことをずっと抱きしめてくれていた・・
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