第16章 審神者の帰還
こうして、天使さんと団欒していると……。
「あら、天使族。うちの子たちの運動につきあってくれて、ありがとう」
にこり、と妖美に笑うのは、おっぱい丸出しのサキュバスさん。
って、えぇぇぇ!?
成長すると、あんな痴女になるの?
そんなの、あんまりだ……。
「お気になさらずに。同胞のレベル上げに付き合って頂いたのです」
「ふふっ、立派なサキュバスになって、あのインキュバスたちを押しのけられるよう、鍛えてあげて?」
その言葉に、僕は疑問を感じた。
「――ねぇ、どういうこと?」
「サキュバスとインキュバスは、同族で利用しあっていますが、仲が悪いんですよ。ライバル同士ですね」
「そうですのよ。この世は、種族戦争が激しいんですの。一部、悪魔が吸血鬼族を飼いならし、ペットにしてる話も聞きましたわ……」
「哀れな話だな。助けたいが、悪魔族は魔族の王。我らが手を出せば、全面戦争になる」
そっか、助けたいけど助けられないんだ。
なんか、複雑な関係なんだなぁ。