第6章 東京遠征〜2〜 トラウマ
抱きしめてから、どれくらい経ったろうか。
トクン、トクンと一定のリズムで鳴る岩泉の心臓の音に落ち着きが戻る。
「あんた落ち着くわ。」
岩「そりゃどーも。」
「いい身体してるし」
岩「おいヘンタ「じゃねぇよ」」
「父さんが整体師だったからマッサージとかそうゆうの得意なの」
岩「そうだったのか」
「合宿中時間あったらマッサージやってあげるよ。アタッカーだから肩気をつけた方が良いしね」
岩「おう。頼むわ。」
「任せとい、て、、、」
岩「べに?おい、べに、、、って、寝ちまってんのかよ、、、。どーすっかなぁ、、、」
今の時間起きてる奴なんかいねぇだろうし、起こすのも可哀想だ。
何より、せっかく寝たのに起こしちまうかもしれねぇな。
岩「しゃーねぇ。」
その場に胡座をかいて座り、その上にべにを座らせる。
岩「軽すぎだろ、こいつ。ほんとに食ってんのかよ」
細っそい腕。こんなんでよく肩の関節外しなんて物騒なことできるなと変に感心した。
すると、のそのそっとべにの腕が何かを探すように動く。
何探してんだ?
俺のシャツに触れると小さく摘んで握り締めた。
満足そうに微笑むべにを見て、今まで感じた事ない胸の高鳴りを感じた。
わり、及川。応援はできねぇかも知れねぇ。
べにを抱えながらそのまま朝まで眠った。