第23章 喧嘩するほど?
不安を抱えたまま次の日を迎えて、あったらすぐに謝ろうと心に決めて家を出た。
「はよー。」
「おはようございます。」
縁下と二人で入って来たのを見るなりすぐに駆け寄って「昨日はごめん。」と頭を下げた。
小言や文句の二つ三つは覚悟していたつもりだった。
それなのに、
「あー、うん。あたしも昨日はごめん。気をつけるね!」
これまでに無いくらいあっさりと、普通の返事が返ってきた。
これが変だと感じる奴はゼロに近いと思う。
現にスガだって「仲直りしたんだな!」って笑ってるし。
なんで、どうして
こんなに胸がザワつくんだろう。
二人の状況を表すように
さっきまで晴れていた空は
不吉な灰色にジワリジワリと浸食されていった。