第20章 コイビト
何事もなく次の日を迎え、練習も滞りなく行われた。
私たちに大きく変わったところは無く、これまでと特に変わらない日々を過ごした。
変わった事は
「朱莉、帰るぞー。ほら、荷物持ってやるから貸しなさい。」
「アイス代くらい俺が出すって」
だいちが彼氏っぽくなった事。
いや、彼氏な事に間違いは無いんだけどさ
“彼女扱い”なんてされたことないから
なんだかちょっとむず痒い。
「朱莉はもっと大地に甘えていいと思うよ?」
付き合い始めて3日くらい経った部活の休憩中、スガから言われた言葉。
そんな事言われたって…甘えるってどうすればいいかわかんないし、何より迷惑なんじゃないかなって思う。
そんな不安もあるけれど、『好き』って気持ちを認めてからだいちの些細な言動に胸が高鳴る。
これが恋してるって事なのかな