第19章 二人の始まり
それから暫くしてだいちは気まずそうにあたしを離してくしゃりと前髪を撫でた。
「後悔しないか?」
「、、、死ぬ程すると思う。」
そう言うとだいちは困ったように笑った。
「でもね、ここでだいちを手放してたら、もっと後悔してたと思うから、、、」
この選択はまちがいじゃない。
『あたしが居なければ幸せじゃない』
だいちのその言葉を、
あたしが彼の傍に居る為の
“唯一の免罪符”として胸のうちに留めて
「これからもよろしくね。だいち」
「あぁ、大切にする。」
二度としないと決めていたはずの
“恋”を始めた。