第8章 空での戦い方
縁「なぁ、べに。」
「んー?」
縁「いい加減離れろ。」
「やぁー」
縁「やぁーじゃねえの。どけ。俺は月バリ読んでんの」
「知らない、、、」
俺の家に来ると、学校とは違い、スイッチがオフになったように甘えたになるべに。
俺の背中にくっついて離れない。
母さんもこれに関しては何も言わない。
俺でさえ滅多に遭遇しない甘えたなべにを大地さんはいつも見ているのかと思うと羨ましさを感じる。
縁「お前さぁ、ちゃんと素直になったの?」
「、、、」
縁「ったく、、、せっかく2人にしてやったのに。」
「怖いんだもん、、、、信じるのも、好きになるのも、、、好かれるのも、、、」
あの頃の記憶が、べにの中から消えずに苦しめ続ける。
縁「、、、ったく、、、」
読みかけの月バリを横に置き巻きつけられた腕を解く。
「ッ、、、」
べにの方を向くと、寂しそうな顔をした。
縁「違うから。ほら、おいで。」
腕を広げ、受け入れ体制を取る。
のそーっと近づいて俺の肩に顔を埋めた。
縁「特別だかんな?」
「んー。」
縁「ったく、どっちが年上だか分かんねぇよ。」
「うっさいばか。」
家族同然に育ってきたべに抱くこの気持ちは、
きっと家族愛というやつだろう。
べには俺の家族だ。