第6章 Do Let's talk about my past
十年と少し前
「ハァハァ…」
荒い息遣いで歩く少女
「お…父さん」
目尻に涙を貯めて少女は倒れた
「ゆうな!ゆうな!」
誰かが私を呼んでいる…
「お父さん?」
「早く、早く逃げろ!」
「お父さんは?」
「父さんは後で行く!先に行ってろ!」
「本当に?本当だよね?」
「ゆうな…父さんが今までに嘘をついた事があるか?」
少女は考える…
「無い…」
「だろ?じゃあ行ってろ」
少女は笑顔でこう言った
「わかったよ!後でお母さんのお花詰みに行こうね」
だが…少女は知らなかった
いや…知る由もなかったのだ…
花を詰みに行く…そんな些細な願いさえも
叶わない事を…
そして最後に話した父との言葉を後悔する事になる
「ゆうな!最後に言っとく!お前は特別な力を持っている!もしもだもしも魔神族…十戒が蘇ったら使え!」
「うん?」
「じゃあ行け!
最後にお前の笑顔が見れて良かったよ」
「お父さん後でね!」
最後の父の呟きを聞いたのは…少女ではなく…
**********だった…
「いやぁぁぁぁ!」
「うわっ!?」
「!?誰?」
「やっと起きたか〜俺はメリオダスだ!お前が倒れてたから助けたんだ!」
「…メリオダスありがとう…じゃあ私行くから」
フラフラとしながら少女いや…もう少女とは呼べないのか?
その瞳には光などなく…真っ黒に濁っていた
まるで魔神族の様に…