第27章 櫻井翔が眠る時
何度もお礼を言う翔の目は、少し潤んで見えた。
「楓ちゃんは…俺と対等に話してくれるの?
俺の親とか、嵐だとか関係なく…接してくれる?」
「そんなの、当たり前だよ。
私は翔先輩自身を見て、友達になったんだよ?
今更親とか、嵐だとかそんなの関係無いよ」
「楓ちゃん…疑ってるようなこと聞いてごめん」
「ううん、いいよ。そんなこと」
「ふふっ…」
「?どうかしたの?」
「いや、やっぱ楓ちゃんは凄いなぁって思って」
「へ?凄い?」
「だってすぐ俺を元気にさせちゃうじゃん?」
「そう、かな」
「そうだよ、俺めっちゃ元気出たし」
「あ、ありがとう」
「俺相手でも、少しはドキドキしてくれた?」
「少しじゃないよ…」
「ふっ…ありがと」
「え‼︎聞こえてた?」
「ん、バッチリ」
「やだ…」
「楓ちゃんは、攻められるのに弱いんだね」
「そ、そんなこと…」
「良いこと知っちゃった」
「あの、どうか内緒に…」
「なんで?」