pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第2章 アラバスタ
「…気分を害されたのなら謝ります」
「いいや、良い殺気だ…気が引き締まる」
「…そう、ですか」
殺気を喜ぶなんて。
変わった奴が居たもんだとその時ばかりはの警戒心も少し緩んだ。
「できの悪い弟を持つと…兄貴は心配なんだ、おめェらもコイツにゃ手を焼くだろうがよろしく頼むよ………」
「「「「!!」」」」
「ルフィ、次に会う時は海賊の高みだ」
黒ひげを追っている事を伝え、一味に別れを告げるとエースはボートに飛び降りた。
「では、失礼致します」
「オイ」
続いて船を降りようとしたを引き止めたのは先程まで話していたゾロだった。
「また、会えるか?」
「オイ!マリモてめェ何口説こうとしてんだ!コラァ!!」
ゾロの言葉にいち早く反応したのはサンジだったが、ゾロは気にする様子もなくもう一度同じ事を言った。
「また、会えるか」
一瞬は驚いた顔をしたがすぐにいつもの冷静な顔に戻る。
そして飛び降りる間際にゾロに言葉を投げ掛けた。
「会うとすれば、敵としてです」
そう言い残すとはエースの乗るボートに飛び降りた。
「またなーーっ!!」
無邪気に見送るルフィをはチラリと振り返る。
(また…か、)
全く警戒心なく接してくるあの男は大物なのか、それとも素でああなのか。
視線をルフィからエースに向けたは自然とその答えに行き着いた。
(…この人の弟ならどちらも当てはまる)
「オイ!いたぞ!火拳のエースだ!!!」
「海に落とせばおれ達の勝ちだ!」
エース達の前方には火拳のエースの噂を聞きつけたビリオンズの船が5隻現れた。
「私がやりましょうか」
「いや、おれがやる」
ぐぐっとエースは拳を後ろに構え、
「火拳!!!!」
「うわぁぁぁぁ!!」
5隻の船はあっという間に炎に包まれ跡形もなく大破した。
「来いよ高みへ、ルフィ!!」
既に見えなくなったゴーイングメリー号に向かってエースは言った。