pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第11章 2年間
「そうか…私、あのまま倒れて……手当てはベローナが?」
「お、おう…!」
「そう…ありがとう」
「そ、そうだ!ロロノア!新聞のこの写真!!麦わらの腕にタトゥーなんてあったか?」
に素直に感謝され、ベローナは照れながら話を逸らしゾロに新聞の事を尋ねる。
「それには意味があんだよ…俺達にしかわからねェ、ルフィからのメッセージが」
「メッセージ?」
「あぁ…」
「ゾロ…私も聞いていいですか?」
「オイ!話すから…お前は寝ながら聞け」
体を起こそうとするを制しベッドに戻す。
「俺達はある場所に3日後に集合する約束をしてた…それがこのザマ…」
「3DAYSで3Dって事か、でも3Dは×で2Y…」
「2年…」
「2YEARS!」
「ゾロ、それってつまり…」
「あぁ、集合は3日後じゃなく2年後…!!他の行動は世間の注目を集める為のフェイクだ…」
ゾロはビブルカードを取り出して眺める。
「焦っても今の俺達じゃ、新世界は駆け上がれねェ…!立ち止まって力をつけるんだ、そしてまた必ず集結する!!!」
「……!!」
そう言ったゾロの顔は決意に満ちていた。
それはアラバスタで出会った時の冷静な彼とも、ここで再会した時の不安定な強さをただ求めていた彼とも違うものだった。
「俺も…アイツから剣を習う事になった」
「アイツって…まさかミホーク?」
「あぁ」
「……驚いた、勝手に貴方は…その、人から何かを教えられる事が苦手な人かと思っていました」
「まぁ、間違っちゃいねェが…そんな小せェ意地を貫くよりも強くなんねェと…」
少し歯切れの悪いゾロの様子にはくすりと笑い言葉を返す。
「初めて会った時はこんな風になるなんて思いませんでしたね…何にせよ、これからよろしくお願いします」
「おう…てか笑ってんじゃねェぞ」
ゾロは軽くの頭を小突くとビブルカードを医務室のサイドテーブルの引き出しにしまった。
この引き出しを次に開けるのは2年後だ。
引き出しをキッチリと閉めるゾロをベローナとは静かに見届けた。