pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第8章 運命
白ひげの元に血塗れのルフィが飛ばされて来る。
「エースの弟!!」
「………」
「エース…」
ルフィの体は限界を越えていた。
青キジの前にはジョズ、赤犬の前には白ひげが対峙していた。
そしての前にマルコが立ち、黄猿を睨み付ける。
「守りたいものが多いと大変だねぇ~?」
「幾つあろうと俺は守り切るよい…!」
マルコは防戦が続いていた。
後ろにはがいる、下手に動いてしまえば黄猿はを狙いかねない。
も千鳥を構えたまま動けずにいた。
「マルコ隊長!!」
「お前はそこを動くな!!」
「……!!」
「悪いけどお嬢さんにもここで消えてもらうよォ?厄介な存在に変わりないからねぇ~」
「そんな事させないよい!!」
そんな時だった。
白ひげが突如胸を押さえ血を吐いた。
それは白ひげ海賊団の隊長達が最も恐れていた事だった。
「親父!!」
「親父様…!」
マルコやを始め、隊長格の視線が一挙に白ひげに集まる。
「他所見したろ?今……」
その一瞬の隙を大将が見逃すはずがない。
マルコは黄猿に背を貫かれ、ジョズも腕も青キジによって凍らされてしまった。
そして黄猿の指はへと向けられる。
声を出す間さえなかった。
黄猿から放たれた光はの肩や脚を貫いた。
「っ……!!!」
痛みに顔を歪め、膝をついたの目に飛び込んできたのは赤犬のマグマを受ける白ひげの姿。
(ジョズ隊長…マルコ隊長……親父様…!!)
駄目…目の前が霞んで行く…。
エース、隊長……。
その様子は処刑台にいるエースの目にもハッキリと見えていた。
「親父!!…………!!畜生……」
倒れ行く仲間を見ている事しか出来ない自分が情けなかった。
大事な女を抱き止める事も今の俺には出来ない。
「ウォオオォオォオォ!!!」
そんな中、広場に響き渡った叫び声。
テンションホルモンをイワンコフから受けたルフィの声だった。
ルフィは真っ直ぐに再び処刑台を目指して走り出す。
「…………」
は気を失ったまま動けずにいた。
ただ、その体の中では微かな変化がうまれていた。
その事には誰も気が付いていない、本人でさえも。