第7章 マリンフォード

「今は、何も…」

「俺のを使うか？」

「マルコ隊長…」

は少し考えた後、首を横に振った。

「遠慮しておきます、その、エース隊長に怒られてしまうので…」

「ははっ相変わらず独占欲強ェなァ…エースのヤツは」

決戦の最中だと言うのに少しだけ穏やかな気持ちになれた。
一瞬だけ昔に戻れた様な。
マルコとが二人でいただけでエースは慌てて飛んでくる。
出来る事なら、その頃に戻りたい。

「いや…戻るために此処にいるんだよい……」

「マルコ隊長？」

「お前が強い事は知ってるが無茶はするな、サポートはしてやるよい」

「はい、その為に鍛練を積んできましたから」

そう言ってマルコに向けたの視線は意志の強さが込められていた。

「行くよい、早くしねェとあの小僧が死んじまう」

「…ルフィさん！」

前方を見ると大将黄猿に狙われているルフィの姿。
は急いでルフィの元へと向かった。
黄猿は間一髪のところでイワンコフによって防がれたが、倒せど倒せど海兵は次々に群がってくる。

の位置から海兵達を引き連れたたしぎの姿が見えた。


「ルフィさん！」

「！？」

「ここは私が請け負います、貴方は先へ…隊長の元へ！」

「わかった！ありがとう！！」


はルフィが先に進んだ事を見送るとたしぎに向けて脇差しを構える。


「…ここは通しません」

「貴女は！！海の悪魔の化身…！！そこを退きなさい！麦わらを仕留めます！」

「いいえ、それは許しません」

二人の睨み合いが続く中、突如たしぎが目を見開きの脇差しを捉え声を上げる。

「そ、それは…！！！」

「な、何ですか…」

「その脇差しは！！！千鳥では！！？」

「ち、千鳥…？」

たしぎは目を輝かせながらの脇差しを見ている。

「まさか知らずに！？…雷さえも斬ると言うその刀を！？……勿体無い事を…私が回収します！！！」

「だ、駄目です！これは…！！」


ここに来る前にヒューマンドリルが私にくれた刀。


「友に貰った大切な物です！！」

は大きな声でそう言い放った。
そしてたしぎを真っ直ぐに見据えたのだった。