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pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)

第4章 パナロ島


効いているのだろう、海獣はその場で暴れだした。

「…しまった!」

暴れた海獣のヒレがのボートに直撃してしまった。
ボートは無惨にも粉々になってしまった。

「火銃!」

海獣に次々と炎の弾が当たる。

「…これで終わりよ、炎戒…火柱!」

「グォォォォ!!」

海獣は白目を剥いて逆さまに海に浮かぶ。
その姿はすっかり黒焦げになっていた。
もそのまま海に落ち、ボートの瓦礫に掴まった。


(泳ぐしかないか…とりあえず近くの島で船を見つけないと)

瓦礫に掴まったまま泳ぎ出す。

絶対に諦めない、隊長が拐われたのは私のせいなのだから。

「はぁ…はぁ………」

日暮れまでに何処かの島に着かなくては。


「……!!…嘘、でしょ……」

波が荒立って来たと思っていたら、真っ黒な雲が空に広がっていた。
途端に雨が降り始める。

「くっ…!」

波は容赦なくに襲い掛かる。
うまく呼吸が出来ない。

(このままじゃ…)

の背後から大きな影が迫る。
振り返った先には大波の姿。

「……!」

はエースの帽子を強く握り締め、胸に抱いた。
その直後、大波はを覆うように被さった。

(……ッエース、隊長…………)


意識が遠退いて行く。









『お前は、生きろ』










隊長の言葉を思い出す。

私だけ生き残ったってダメなんです。
それじゃ親父様に顔見せ出来ない。

隊長、必ず貴方の元へ辿り着くから。

だからどうか、貴方も生きる事を諦めないで。



「…………」

「………あれは」


嵐の海に流されたの前に小さな小舟が現れる。
大剣を背中に持った、目付きの鋭い男。
男はを掬い上げると舟に乗せた。

の手に握られている帽子の存在に気付く。
そして左腕の刺青。

「なるほど……」

男は表情を変えず、舟を走らせた。

は気を失っていてもエースの帽子だけは離そうとしなかった。

小舟は嵐の海を悠々と進んでいく。
の思いとは、裏腹に。











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