pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第4章 パナロ島
が目を覚ますと身動きが取れない事にまず気付いた。
そして背中に体温を感じる。
「……隊長」
「ぐーーーー」
呼び掛けても返事はなく代わりに一定のいびきが聞こえてくる。
ふと、昨夜の事をは思い出した。
(……!!)
舌を絡め合う情熱的なキス。
思い出して赤くなり掛けた顔を思い切り横に振った。
「隊長!起きてください、行きますよ」
「ん、あ?」
緩んだエースの腕から抜け出しは荷物をボートに積み込む。
エースもお腹を掻きながら自分のリュックを持ち立ち上がった。
「昨日はあんなに求め合ったのに連れねェなァ…」
「求め合ってません、出発しますよ」
「ヘイヘイ、さて行くとすっか!」
ボートを走らせ今朝までいた島が見えなくなって来た頃、エースが真剣な声で話し始めた。
「なぁ」
「はい」
「ティーチを見つけてもお前は手を出すな、俺が島に着いたらオヤジの元へ帰れ」
「!?」
「アイツの力の限界値は未知だ、それにアイツが船から逃げたのはお前が来る前の話だ…アイツはお前の事も能力も知らねェんだ」
わざわざ能力を晒す必要もねェと付け加えた。
ただが納得するわけがない。
「でも隊長!それでは私が着いて来た意味がありません!」
白ひげにエースを頼むと託された。
その自分が戦いもせず逃げ出してどうするのだ。
「私も残ります」
「ダメだ」
「隊長!!」
遠くに岩山が聳え立つ島が見えてきた。
「隊長命令だ」
「……普段命令などしないでしょう?!」
「」
「貴方は私の居場所なのではないのですか…居場所とは『居る場所』でしょう…?」
「………上陸は許す、だが手は出させない」
「………はい」
返事はしたが納得はしていない。
いざとなれば戦闘に加わるつもりだ。
それが命令に背く事だとしても。
隊長の命令より船長の命令を優先する。