pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第3章 過去
「んん…っ!はぁ…隊長!」
体を離そうとするだったが、エースはそれを許さない。
「まだダメだ」
「受け渡しはもう終わったでしょう?だったら…」
「受け渡しじゃねェよ、これはキスだ」
「キ…!!///」
エースの言葉と真剣な顔に思わず顔が赤くなる。
僅かに開いたの口を見逃さず、エースは再び口付けをし更に舌を滑り込ませた。
「んっ!…た、い…ちょ……///」
先程までジタバタと暴れていたも知らなかった感覚に為す術もなく大人しくなった。
キスと言うのは、こんなに心地良いものなのか。
暫くエースがの唇を堪能しているとに反応がなくなった事に気付く。
「…おい?」
呼び掛けても反応はない。
代わりに聞こえてきたのは小さな寝息だった。
「…ったく、この状況で寝るのかよ!!」
いつもエースが周りに言われているような言葉をに向けて言う。
はぁっと溜め息をつくとエースは自分の腕の中にいるを優しく抱き直す。
「無防備に寝やがって…」
頭をそっと撫でる。
くすぐったいのかはエースにすり寄るように身をよじる。
「お前は、死なせねェ…」
エースは誓うように呟いた。
黒ひげティーチを追ってここまで来たが、ティーチとの戦闘にまでを巻き込むつもりはない。
船を飛び出したのは俺の身勝手なんだから。
がエースを守りたいと思うように、エースもまた同様に思っていた。
焚き火の火がパチッと音を立てて暗闇に火の粉が舞う。
その様子をエースは目を細めて見つめていた。
「さァて、俺も寝るか…」
を抱き締めたままエースは目を閉じた。
静かに静かに、夜が更けていく。
ティーチのいる島までは明日中には辿り着けるだろう。
決戦の時まであと僅か。