pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第3章 過去
が自分のこの能力に気付いたのはある海賊団に身を置いて居た時だった。
毎晩浴びるように酒を飲むその一味の船長の名はグリフッドと言った。
悪魔の実、ヤミヤミの実の能力者だった。
この時は18になったばかりだった。
の村はこのグリフッド海賊団によって破壊された。
父も母も村の人達も全員皆殺しだった。
美しい容姿のだけが船に乗せられた。
「父様!母様!!嫌ァッ!!!離して!!」
「お前はこっちに来い!可愛がってやるからよォ!」
どうすることも出来なかった。
父や母に駆け寄ることも出来ず、船に連れていかれ無情にも出航する。
毎日のように、泣いた。
(……必ず、奴を殺してやる)
涙も枯れた頃、悲しみは憎しみへと変化していた。
閉じ込められた部屋の中で憎しみだけが膨らんでいった。
「っ!お頭がお呼びだ!!さっさと来い!へへへ……」
「…………」
無駄と言えるほど広い船長室。
グリフッドは無理矢理に顏を掴みを見るとニヤリと笑った。
「おぉ~っ!来たか来たか!早くこっちへ来い!」
待ちわびたと言わんばかりに身を前に乗り出していたグリフッドはとても機嫌が良さそうだった。
大柄な身体の肩を揺らして笑っている。
「………ッ」
吐き気がした。
ギョロりとした目で頭の先から足の先まで品定めをするように見られる。
「ホラ!さっさとお頭の元へ行け!」
「…ッ!」
押し出されるようにしてグリフッドの前に出る。
「さぁ…楽しませろよ」
ゾクリと背中に悪寒が走った。
は思い切りグリフッドを睨み付けた。
そんなを見ても目の前のこの男はニヤニヤと笑うだけだった。
突然腕を引かれ、グリフッドのベッドに押し倒される。
「そんな目をしても煽るだけだ」
グリフッドの手がの服にかかったその瞬間、船内に声が響いた。